HEART ver.Arios

「恋をすると、女の子はここが痛いの。あなたを想うと、きゅっと締め付けられて」

そう言っておまえは俺の胸元にそっと手を置く。
そこは体の中心。体全体に深紅の血を送り出す、心臓の真上。
命の中心だ。

「ほぅ。そうすると女は恋をすると、命がけってことか?」
冷やかし混じりに言ったつもりだが、アンジェリークは真面目くさって頷いた。
「そうよ、アリオス。あなたを好きな気持ちは、いつも本気なんだから」
まっすぐな瞳は俺を見つめてきらきらと輝いている。

チッ。
そうやって、俺を困らせて楽しいのか?
俺の中の葛藤も知らず、おまえはただ、俺のことを好きだ好きだといつも言う。
そうやって、俺を悩ませないでくれ。これ以上苦しませないでくれ。
俺は、おまえを愛する資格など無い。
俺はおまえの敵。俺はおまえの心臓を狙ってるんだぜ。
それを分かってないのか、おまえは。

それなのに・・・おまえは・・・。

「なんて無邪気な笑顔を見せてんだ、おまえは」

俺の胸に当てられたままのアンジェリークの小さな手をつかみ、ぐいっと引き寄せた。
華奢な体は簡単に俺の胸の中に飛び込んでくる。
俺はアンジェリークを抱きしめた。
心から愛しい女を抱き締め、その体の温かさを俺に刻みつける。
栗色に輝く柔らかな髪も、深い海の碧に輝くまぶしい瞳も。すべてを俺の心に刻み込む。

今だけは許して欲しい。
俺の背中にある、どす黒い過去も運命も。今だけは忘れさせてくれ。
血塗られた二人と言うことを、忘れさせて欲しい。
ただ、心のままに。
愛する女を抱き締めていたい。

「・・・男だって、命がけなんだぜ」
(それを分かってんのか、アンジェリーク?)
耳元で囁く。心からの想いと迷いを込めて。

どんなに汚れきった俺でも、今だけはおまえの側にいさせて欲しい。
叶わぬ夢など見もしない。儚い願いも持ちはしない。
ただ、今ある現実だけを俺は生きている。そこに、おまえがいるならそれだけでいい。

「俺だって・・・命がけなんだぜ」

俺はもう一度囁き、アンジェリークの髪に手を差し入れる。
うなじを撫で、俺の胸に押し当てられていた顔を上に向かせる。
おまえの瞳に俺がよく映るように。俺がおまえの瞳の輝きを忘れないように。

今夜はこのまま夜を明かそう。おまえを抱き締めながら。
紅色の太陽が昇れば俺たちはまた敵同士。心臓を狙い合う敵になる。
それまでの短い間だけ、おまえのそばにいさせてくれ。

 


やっぱり書いてしまいました、アリオス。カッコイイ、ひたすらカッコイイ!!!! もう、メロメロに惚れました。
永遠のヴァカンスの「TEMPEST」聴いてからもう、ずーーーっとアリオスが心の中に・・・。
危うし、リュミ様!! でも、リュミ様を好きな気持ちとアリオスが好きな気持ちは違うから。
許して下さいね、リュミエール様。

アリオスは強いから、どんなことからも守ってくれそう。こんな人に守られるアンジェがうらやましい(笑)

ちなみに「ver.Arios」となっていますので、お察しの良い方は気づかれていると思いますが・・・。
そう。あります、別の方のが。ふっふっふ・・・。(どなたの分かも察しがついていることでしょう(笑))